エイジングケア・育毛ケア【医師監修】前髪が薄い女性向けの対策と目立たないヘアスタイル
2022/04/08 更新

監修医師
AGAスキンクリニック レディース院
診療顧問 田中洋平医師

- 【資格】
- 日本形成外科学会専門医
医学博士(信州大学)
- 【所属学会】
- 国際形成外科学会会員
日本美容外科学会会員
日本皮膚科学会会員
日本美容皮膚科学会会員
日本抗加齢学会会員
日本熱傷学会会員
日本救急医学会会員
日本フォトダーマトロジー学会理事

前髪の薄さが気になると前髪がまばらなために老けて見える、前髪のおしゃれがうまくいかないなど、さまざまな悩みにつながります。この記事では前髪が薄くなる原因と対策、カバーしやすいヘアスタイルなどを紹介します。前髪が薄いことに悩まされている方は参考にしてみてください。
前髪が薄くなる原因
髪の毛が薄くなるのは男性の悩みというイメージが根強いですが、実際は多くの女性も悩まされています。そして、女性の薄毛は男性の薄毛にくらべて原因が複雑なことが多いと考えられています。では前髪が薄くなるのは原因にはどのようなものがあるのか、自分にあてはまるものがないかを知っておきましょう。
原因1.生活習慣の乱れ
食事や睡眠、運動などの生活習慣は健康的な生活を送るうえでとても大切です。過度なダイエットや偏った食事、睡眠不足や運動不足などで生活習慣が乱れると、髪の毛や頭皮にも悪影響を及ぼします。髪の毛を育てるための栄養が不足したり、血行が悪くなったりすることが考えられます。
原因2.加齢
加齢も髪の毛が薄くなる原因のひとつです。30代ぐらいからだんだん髪のパサつきや傷みが気になりはじめ、40代は髪質の変化を感じる女性がとても多いタイミングといわれています。それにともない、髪の毛の太さやハリ、コシ、本数などが変わることで、ボリュームが物足りなくなるのです。
原因3.ストレス
社会生活を送るうえで切り離せないのがストレスですが、ためすぎることで髪の毛が薄くなる原因になることがあります。ストレスがたまると自律神経が乱れやすくなり、血管が収縮することで、頭皮の血行を悪化させてしまうためです。またストレスによる食欲不振により栄養不足になる、なかなか眠れずに睡眠不足になるなどの悪影響も考えられます。
原因4.ヘアケアの誤り
毎日行うヘアケアを、自己流の方法で行っている方が多いのではないでしょうか。爪を立ててシャンプーをしたり髪の毛を生乾きのまま放置したりと、ヘアケアが誤っていると、毎日髪の毛にダメージを蓄積させてしまう可能性があります。また乾燥が気になっているのに洗浄力の強すぎるシャンプーを使うなど、自分の髪の毛や頭皮に合わないヘアケア用品を使うことも、前髪の薄毛を引き起こす原因となります。
原因5.ヘアスタイル
毎日髪の毛をきつく結ぶなど、いつも同じ部分が引っ張られるヘアスタイルをしていると、引っ張られている部分の髪の毛や頭皮に負担がかかってしまいます。こうした負担が原因で髪の毛が抜けてしまうことを牽引性脱毛症といいます。いつも前髪を引っ張ったり強く結んだりしていると、前髪も同じように薄くなってしまう可能性があります。
前髪の薄毛対策

前髪の薄毛が引き起こされる原因をみてきましたが、改善するにはどうしたらいいのでしょうか。この項目では健康な髪の毛を育て、薄毛の悩みを緩和するためにできる対策を紹介します。今日からすぐに実践できる方法もありますので、チャレンジしてみてください。
対策1.生活習慣を見直す
薄毛対策で欠かせないのが、生活習慣を見直して頭皮や髪の毛を健やかな状態に保つことです。食生活、睡眠、運動について細かく見ていきましょう。
食生活
- 食事の量や回数を極端に減らさず、一日三食の食事をするよう心がけましょう。ダイエットをする場合は、きちんと食べたうえで運動をするのがおすすめです。
食事内容にも気を配り、バランスよくさまざまな栄養素を摂るのが良いでしょう。髪の毛の成長に重要な役割を果たす栄養素として、たんぱく質、亜鉛などのミネラル類、ビタミン類が挙げられます。これらの栄養素を意識しながら、栄養が偏らない食事をすることが大切です。
睡眠
- 髪の毛を修復し、成長させる成長ホルモンは睡眠中に分泌されるといわれているため、毎日の睡眠時間を確保することで薄毛の改善に期待できます。夜更かしをしすぎず、十分な睡眠をとれるようにしましょう。毎日決まった時間に、少なくとも4時間ほどの睡眠時間を確保するようにしましょう。睡眠の質も重視し、寝る直前までパソコンやスマートフォンの操作をしないことや、騒音や光に刺激されない寝室環境を作ることなどに気をつけましょう。
運動
- 生活に適度な運動を取り入れることで頭皮の血行が良くなるため、薄毛の改善が期待できます。おすすめはウォーキングなどの有酸素運動です。急に激しい運動をしようとすると挫折してしまうことが考えられるので、無理のない範囲で体を動かすようにしましょう。「電車を降りて一駅分は歩こう」「エスカレーターではなく階段を使おう」など、普段の生活を少しずつ変えるのも良いでしょう。
対策2.ストレスをためないよう気をつける
社会生活を送っているとどうしてもストレスを感じてしまうため、発散できる方法を見つけておくのがおすすめです。発散方法には、趣味に打ち込む、親しい人と話す、旅行へ行く、カラオケで大声を出すなどが考えられます。自分に合ったストレス解消方法を見つけてみてください。発散方法が見つからない場合、公園などで身近な自然に触れながらウォーキングで体を動かすのがおすすめです。ストレスの緩和とともに、血行の促進にも期待できます。
また前髪が薄いことを一人で抱え込んで悩みすぎないことも、ストレスを軽減するために大切です。
対策3.ヘアケアを見直す
自己流で行っているヘアケアで、髪や頭皮にダメージを与えていないかを見直してみましょう。やってしまいがちな誤りとして、洗うことを重視してすすぎをおろそかにしてしまう、ドライヤーの熱を避けるために自然乾燥にするなどが挙げられます。シャンプーやコンディショナーをきちんと洗い流せていないと汚れの原因となりますし、生乾きの頭皮は雑菌が繁殖しやすく不潔な状態になってしまいます。良かれと思ってしていたヘアケアで髪や頭皮を傷つけないよう、ヘアケアを見直すのが良いでしょう。
また使用するヘアケアアイテムが、自分の髪の毛や頭皮に合っているかを確認するのも大切です。前髪の薄毛が気になる場合、髪や頭皮の潤いを取り去りすぎずやさしく洗えるアミノ酸系の洗浄成分を使用したシャンプーの使用がおすすめです。
対策4.ヘアスタイルを見直す
日々のヘアスタイルを見直すことも前髪の薄毛対策になります。いつも前髪を引っ張って結んでいる場合はおろす日を作ったり、ゆるめに結ぶヘアスタイルにしたりと変化をつけて、髪や頭皮への負担を減らしましょう。いつも同じ分け目にせず、分け目を変えるのも負担の軽減につながります。
対策5.頭皮マッサージを取り入れる
頭皮マッサージで硬く凝った頭皮を動かすことで、血行を促進して前髪の薄毛の改善に期待できます。簡単にできる頭皮マッサージを紹介しますので、さっそく取り入れてみてください。
指を髪の毛の生え際に添え、気持ちいいと感じるぐらいの力で押し上げながら2秒ほどキープしましょう。次は引き下げるようにして同じように2秒ほどキープします。側頭部の頭皮はつむじに向かって押し上げるようにして数秒キープ、逆方向に引っ張ってまた数秒キープするようにマッサージしてください。髪の毛の上からするのではなく、髪の毛の間に指を差し入れて頭皮をしっかり動かすのがポイントです。頭皮マッサージはリラックスタイムに行うのが理想的なので、バスタイムや寝る前などに習慣づけ、毎日コツコツと頭皮をほぐしましょう。
対策6.育毛剤を使用する
ドラッグストアや薬局などで女性用の育毛剤が販売されており、気軽に入手することができるためヘアケアに取り入れてみるのも良いでしょう。育毛剤は髪の毛が育ちやすい環境を作り出すものであり、使っていれば髪の毛が生えてくるというものではないので生活習慣の改善などのケアと併せて使用するのがおすすめです。
対策7.クリニックに相談する
セルフケアを続けているけれど前髪の薄毛に変化が見られない場合や、自分でどんなケアをしたらいいのかわからないという場合などは、専門のクリニックで相談するのがおすすめです。専門の医師による検査で髪の毛や頭皮の状態を知り、原因に合わせた治療を受けることができます。患者さんのプライバシーに配慮しながら無料カウンセリングを実施しているクリニックもありますので、ひとりで悩まずに相談してみましょう。
薄い前髪のカバー方法
ここまでは前髪の薄毛を改善するための対策を紹介しました。しかし生活習慣を改善するなどのケアをしても、すぐに前髪の薄い部分をカバーすることはできません。「状態が改善するまで薄い状態で我慢しなきゃいけないのかな…」と不安に感じる方に、今日からできる薄い前髪をカバーするための方法を紹介します。
前髪薄毛を目立たなくさせる髪の乾かし方
ブローで前髪の薄毛をカバーするために大切なのは、分け目がくっきりつかないようにすることです。分け目がぱっくり割れてしまうと、前髪の薄さが強調されて見えてしまいます。
分け目をくっきりさせないようにするブローの方法は、前髪の根元を左右にこするようにしながら乾かすことです。分け目のくせがつかず、前髪の薄毛を目立ちにくくすることができます。
前髪薄毛を目立たなくさせるヘアスタイル

前髪の薄毛をできるだけ気にせず過ごすための薄毛が目立ちにくいヘアスタイルを紹介します。今までチャレンジしたことがないスタイルにしてみることで、薄毛を隠すとともにイメージチェンジにもなりますのでぜひ試してみてくださいね。
前髪を無造作なざっくりバングカット
- 無造作にざく切りするバングスタイルは、前髪の毛量が一定でなくても自然に見えるため、前髪が部分的に薄くて悩んでいる方におすすめです。バングとは前髪のことで長さは眉上と短めにするのがポイントです。作りすぎない無造作なセットをすることで、おしゃれなヘアスタイルを楽しめますよ。
思い切ってベリーショートスタイルに
- 前髪だけでなく、髪の毛全体をベリーショートにする方法です。女性のベリーショートは勇気がいるかもしれませんが、サイドとトップのボリューム差が減るため、前髪の薄毛が目立ちにくくなります。さらに髪の毛が長いと、その重みでペタっとした印象となるため、短くすることでボリューム感もアップします。また、ベリーショートは前髪が多いと型崩れしやすくなるため、実は前髪が少ない方におすすめのスタイルでもあります。思い切ってイメチェンをしてみるのも良いのではないでしょうか。
前髪を伸ばしてボブヘアーに
- 「前髪のざく切りやベリーショートは勇気がいる……」という方は、思い切って前髪を伸ばしてしまいましょう。前髪を長くして分けるヘアスタイルは前髪の薄毛が気にならなくなります。前髪を作らないタイプのヘアスタイルは落ち着いた大人っぽい雰囲気になるため、幅広い年代におすすめできるスタイルです。分け目部分がぺたっとつぶれてしまわないよう、かきあげるようにブローするなどの工夫をすることで、おしゃれに薄毛をカバーすることができますよ。
ヘアアクセサリーでアレンジ
- ヘアアクセサリーを使ったアレンジは、カットに行く必要がないため手軽なことや、「ヘアスタイルを一気に変えて失敗するのが怖い」という方におすすめです。前髪の薄毛をカバーするなら、スカーフやヘアバンドなどでおしゃれに覆い隠してしまうのが良いでしょう。ヘアピンを使ってポンパドールを作ったり、前髪を編み込んだりするアレンジも薄毛カバーに役立ちます。
- Summaryまとめ
- 前髪の薄毛は目立ちやすいためストレスになりがちですが、ヘアスタイルやアレンジなどでカバーしやすい部分でもあります。また自分で見つけやすいため、進行する前にケアができるという特徴もあります。薄毛を目立たせないようヘアスタイルを工夫しながら、薄毛を改善するためのケアを続け、健康な髪の毛を取り戻しましょう。
薄毛の悩みは身近な人に相談しにくく、思い悩むことでさらにストレスとなってしまう可能性があります。一人で抱え込まず必要に応じて医療機関に相談してください。
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