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薄毛・抜け毛の病気【医師監修】頭皮のカビが原因で起こる脂漏性皮膚炎とは
2023/03/08 更新
脂漏性(しろうせい)皮膚炎という病気をご存じでしょうか。頭皮からフケが落ちたり、しつこいかゆみが続いたりするようなら、この病気を疑ってみる必要があるかもしれません。そして、驚かれるかもしれませんが、この皮膚炎の直接の原因は頭皮のカビだといわれています。以下では、この病気の症状と対処法についてご説明いたします。
頭皮トラブルのバロメーターとなるのが「かゆみ」です。頭皮には毛穴が集中しており、皮脂がたくさん分泌されます。頭皮を保護するために皮脂は必要ですが、さまざまな原因で水分とのバランスが崩れると過度に分泌されかゆみを招きます。
また、逆に皮脂が少なすぎて、乾燥してしまうことでもかゆみが引き起こされます。もし、かゆみが一時的ではなく続くようなら、病気のおそれがあります。頭ジラミや接触性皮膚炎などが考えられますが、脂漏性皮膚炎にかかっていることもあり得ますから、早めに対処することをおすすめします。
脂漏性皮膚炎は頭皮が炎症をおこすため、かゆみをともないます。皮膚のかさつきやフケがでるようにもなります。また、頭皮だけでなく、鼻や耳の中など皮脂の分泌が多い部位に発症することも多いようです。症状自体はアレルギー性皮膚炎や刺激性皮膚炎などと変わらないため、すぐに脂漏性皮膚炎だと見分けることは難しいといえます。ただ、前述したように脂漏性皮膚炎の原因はカビであるため、そのまま放置しておくと慢性化したり、治ったように見えても再発したりする可能性が高いため、早めの処置が必要です。
「頭皮にカビがいる」と想像するだけでぞっとしますし、「清潔にしているのにどうして?」と思われるかもしれません。しかし、このカビは「フケ原因菌(マラセチア)」と呼ばれ、誰の身体にもいる常在菌のひとつです。普段は悪影響を及ぼすことはありませんが、皮脂の分泌が増えるとそれをエサにして増殖するといわれています。
そもそもフケとは古くなった細胞であり、新陳代謝のプロセスにおいて誰にでも発生するものです。しかし、その新陳代謝の周期が早くなりすぎると、フケの発生が目立つようになります。その原因となるのがフケ原因菌であり、頭皮に存在する過剰な皮脂をエサとして分解を行い、刺激物質を生じることによりフケやかゆみが引き起こされます。
脂漏性皮膚炎の直接原因はカビですが、常在菌であるため、このカビそのものを取り除くことはできません。大切なのはいかにこのマラセチア菌がエサとする皮脂をコントロールするか、ということです。
頭皮の健康は生活習慣と大きく関係していますが、なかでも食事は重要です。脂っこい食事は皮脂の分泌を加速させるため控えるようにしましょう。また、手軽に食べられるスナック菓子やコンビニ弁当は皮脂分泌を高めやすいので、脂漏性皮膚炎予防のためには避けた方がよいでしょう。
マラセチア菌の増殖を抑えるためには、頭皮の皮脂をコントロールするビタミンB2やB6が有効です。ビタミンB2は干しシイタケ、アーモンド、レバーなどに含まれており、ビタミンB6はマグロやカツオ、ニンニクなどから摂取できます。
皮脂を取り除くことを考えると、こまめに洗顔することは大切ですが、洗顔の頻度ややり方にも注意が必要です。朝晩2回、良く泡立てた洗顔料でケアしてください。洗顔後はお肌が乾燥しないように、スキンケアをし、潤いを与えてあげましょう。
頭皮もお肌の一部ですから、洗顔と同じように髪の洗い方、洗いすぎに気を付けましょう。抗菌剤入りの刺激が少ないシャンプーを選び、手でよく泡立てやさしく頭皮をマッサージします。シャンプーは洗い残しがないようにきちんとすすぎ、洗髪後はドライヤーで乾かして蒸れを防ぎます。
紫外線は頭皮にダメージを与え、過剰な皮脂を脂肪酸に分解し炎症を引き起こすことがあります。外出時は紫外線防止を心掛けたいところですが、帽子を長時間かぶると頭皮の通気性が悪くなるため、日傘の使用がよいでしょう。
睡眠が十分でないと頭皮の新陳代謝に悪影響がおよび、皮脂の過剰分泌につながります。睡眠時間は個人差がありますから、翌日に疲れを残さないような就寝・起床時間をみつけ、質の高い睡眠を心掛けるようにしましょう。
頭皮のフケやかゆみが続くようならカビが原因の脂漏性皮膚炎かもしれません。専門のクリニックで相談することをおすすめいたします。
監修医師
AGAスキンクリニックレディース
診療顧問 田中洋平医師
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