薄毛・抜け毛の治療方法抜け毛・薄毛治療の病院の選び方

お気に入りのヘアスタイルが決まらなくなってきた、抜け毛・薄毛対策のセルフケアをしてきたけれど状態が変わらない……。そんなとき相談したいのが病院です。しかし受診しようと思って調べると皮膚科と抜け毛・薄毛治療の専門クリニックがあり、さらに専門クリニックだけでもたくさんあって、どこへ行ったらいいのかわからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。受診したい病院を決められないまま時間が経ち、悪化してしまうことも考えられます。この記事では、抜け毛や薄毛治療の病院はどう選べばいいのかを紹介しますので、受診する病院を決める際の参考にしてください。
私の抜け毛は危険…?そう思ったら病院に相談。

女性にも薄毛や抜け毛を病院で治療する方が増えており、気軽にカウンセリングを受けることができます。しかし「抜け毛で病院に行くなんて大げさな気がする」と考え、一歩踏み出せずにいる場合もあるかもしれません。そこで、特に受診が必要とするのはどのような抜け毛か見ていきましょう。
頭皮のトラブルがある
髪の毛が抜けると同時に、頭皮のかゆみや炎症、大量のフケが落ちてくるなどのトラブルはないでしょうか。それが原因となって抜け毛を引き起こしている場合、もちろん頭皮を健やかにする必要があります。なかでも抜け毛や薄毛につながりやすい頭皮トラブルとして、下記が挙げられます。
頭皮が乾燥している
- 頭皮が乾燥すると傷付きやすくなり、そこから雑菌が入り込んで炎症を起こすことで髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。冷暖房の効いた部屋に長時間いる、シャンプーのしすぎで必要な皮脂まで洗い流しているなどの原因で起こります。
皮脂が過剰分泌されている
- 頭皮の皮脂が過剰分泌されると、毛穴が詰まりやすくなり、髪の毛が栄養不足になる原因となります。脂っぽい食事が多いなどの食生活の乱れや、シャンプーのしすぎなどによって引き起こされます。シャンプーをすれば皮脂を取り除けるように感じられますが、取り去りすぎると不足した皮脂を補おうとして分泌量が増えます。
常在菌のバランスが崩れている
- 人体には「常在菌」が存在しており、頭皮も同じです。しかし皮脂量によってバランスが崩れることで、トラブルの原因となります。常在菌が増えすぎるとフケの大量発生を引き起こして頭皮の詰まりを招き、減りすぎると皮脂の分泌量が過剰となる傾向にあります。
フケやかゆみがある
- フケやかゆみなどの症状だけでは、どのような原因でトラブルが起きているのか自分では見分けにくいですよね。アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬といった、専用の薬による治療が必要なことも考えられます。
原因がはっきりわからないまま、自己流の方法で改善しようとすると悪化させてしまう可能性があるため、頭皮トラブルがある場合は病院を受診するのが大切です。病院では主に外用薬を用いて治療を行います。
FAGAの疑いがある
FAGA(女性男性型脱毛症)は女性に見られる脱毛症の一種です。女性も少量の男性ホルモンを持ち、エストロゲンという女性ホルモンによって薄毛にならないようカバーしています。さまざまな原因によってエストロゲンが減少することで、相対的に男性ホルモンが多くなり、薄毛を引き起こすのがFAGAです。男性の抜け毛のように、生え際から抜けて額が広くなるようなことは少なく、頭部全体の髪の毛が薄くなって頭皮が目立つようになる、髪の1本1本が細く弱々しくなるといった特徴が見られます。
FAGAは過度なダイエットや生活習慣の乱れ、喫煙などの原因が絡み合い、セルフケアではどこから手をつけていいか悩みやすい症状です。そのため、病院で受診したうえでの治療が必要です。
ストレスによる薄毛の可能性がある
ストレスを強く感じたことで抜け毛が増えている場合、頭部の毛細血管が収縮して血行が悪化している可能性が考えられます。髪の毛や頭皮に栄養が届きにくくなることから、抜け毛と同時に頭皮のトラブルも多発しやすいため、病院での受診がおすすめです。
また女性の場合、抜け毛や薄毛の悩みを「恥ずかしい」と感じて誰にも相談できずに抱え込んでしまい、さらにストレスをため込むケースもあります。受診して医師や看護師に話を聞いてもらうことで、ストレスを和らげられる可能性もあります。
病院に行くなら専門クリニック?それとも皮膚科?
「薄毛や抜け毛を相談するなら専門クリニックの方がよいのかな?」と感じやすいですが、専門クリニックと皮膚科にはそれぞれメリットやデメリットがあります。希望することや症状などと照らし合わせ、自身に合った病院を選びましょう。
抜け毛・薄毛治療の専門クリニックは、髪の毛や頭皮に関する相談を専門的に受け付けています。専門クリニックを受診するメリットとしては、毛髪や頭皮に関する深い知識を持つ医師が多い傾向にあること、皮膚科で治療が難しい抜け毛や薄毛の専門的な治療に対応していることが挙げられます。薬を用いた治療だけではなく、育毛のためのアドバイスをもらえる場合もあります。そのほか、オリジナルの育毛剤や発毛剤、シャンプーなどを扱っているクリニックもあります。デメリットとしては、病院自体の数が皮膚科に比べると少ない、ほかの病気の治療をあわせて行うのが難しいことなどがあります。
一方で皮膚科は髪の毛や頭皮だけでなく、全身の皮膚を診察します。皮膚科を受診するメリットとして、病院数が多く通いやすいこと、抜け毛や薄毛以外の病気も診てもらえることなどがあります。デメリットは、薄毛治療を取り入れていない、もしくは専門的に行っているわけではないため、治療方法の選択肢や処方できる薬の種類が専門のクリニックより少ない傾向にあります。
それぞれの特徴を挙げましたが、どうしても迷う場合は「自分はどの脱毛症が疑われるのか」で考えてみましょう。
FAGAや牽引性脱毛症といった保険適用外の脱毛症が考えられる場合は専門クリニック、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎による脱毛症など、保険適用内の脱毛症の可能性が高い場合は皮膚科での治療が向いています。
病院の選び方のポイント

病院の種類が決まったら、具体的にどこの病院を受診するのか絞り込みましょう。
抜け毛や薄毛の治療のため、中心に考えたいのは「継続できること」です。どんな治療であっても、続けられないと思ったような結果を得ることはできません。それを踏まえて重視したいポイントを見ていきましょう。
通いやすい場所にあること
一見単純なことですが、継続した治療のため、通いやすい場所にあることはとても大切です。「この病院へ行きたい!」と思った場所があっても、移動に長時間かかる、交通費が高額で通いにくい場所だと継続できないリスクが高まります。「病院へ行くと丸一日潰れてしまうし、ほかの用事があるから行けない……」などが積み重なって、病院から足が遠のいてしまうことも考えられます。無理なく通えるかどうかを吟味しましょう。
納得できる料金であること
料金面も病院を選ぶ際に重視したいポイントです。しかし安ければよいということではなく「納得して支払えるか」という点に気をつけましょう。料金プランの内訳がわからず「何をするためにこの額が必要なのだろうか」と思ったり、同じ症例を治療したあとの写真がなく「どのような効果があるのかわからない」と感じたりする場合は、注意が必要です。 もちろん、高額すぎて支払いを続けられない額だと治療を継続できません。支払える予算や病院での治療内容を確認して選びましょう。特に自由診療の項目は、クリニックが独自に金額の設定できるため、料金が大きく異なるケースがあります。 また特定の高額な治療を何度も勧めてくる、詳しい説明をしないまま過度に不安を煽って決断を急がせるなどの病院だった場合は、ストレスを感じて足が遠のく原因にもなるため、慎重に検討するのがおすすめです。
治療実績などをもとに効果がわかること
実績を確認できると、その病院で治療を始めるモチベーションにつながります。治療内容と運営期間、患者さまの口コミや治療満足度などが判断のポイントです。 薄毛や抜け毛は投薬での治療が一般的ですが、注射や植毛などの施術がある専門クリニックもあります。公式HPに掲載されている治療内容を確認し、投薬以外の施術がある場合、治療の選択肢が広がるでしょう。 また運営期間を確認することで、長いとそれだけたくさんの患者さまを診療してきたということがわかります。それだけさまざまな症状に対応してきたともいえますね。 口コミや治療満足度は、患者さまの視点からの評価であるため、希望に沿った治療を受けられたかどうか、気持ちよく診療を受けることができたかなどを知ることができます。 これらの点に注目し、実績や効果、納得して通えるかを考えましょう。
- Summaryまとめ
- たくさんある病院の中からどこへ行くか選ぶのは難しいですが、紹介したように専門クリニックと皮膚科には違いがあり、病院を選ぶ際に参考になるポイントもあります。専門クリニックには無料でカウンセリングを受けられる場所もあるため「まずはカウンセリングだけ受けてみよう」という気持ちで訪れ、病院の雰囲気を見てみるのもおすすめです。
薄毛の悩みを一人で抱え込んで放置せず、病院で相談して、髪の毛のことを気にせず過ごせるようになりましょう。
この記事の監修医師
AGAスキンクリニック レディース院 診療顧問田中洋平医師
- 【資格】
- 日本形成外科学会専門医
医学博士(信州大学)
- 【所属学会】
- 国際形成外科学会会員
日本美容外科学会会員
日本皮膚科学会会員
日本美容皮膚科学会会員
日本抗加齢学会会員
日本熱傷学会会員
日本救急医学会会員
日本フォトダーマトロジー学会理事
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