薄毛・抜け毛の病気【医師監修】壮年性脱毛症とは。原因や症状、改善方法更新日:2020年09月14日

髪が薄くなってきたと感じたら、早めにクリニックを受診することが大切です。抜け毛が増えて髪が薄くなるのは、壮年性脱毛症の可能性があります。原因やメカニズム、改善方法などを把握して、適切に対策しましょう。ここでは、壮年性脱毛症の症状から原因、改善方法まで詳しくご紹介します。
壮年性脱毛症とは
壮年性脱毛症は、男性型脱毛症や若はげなどと呼ばれます。加齢とともに患者が増えていきますが、20代から始まるケースも少なくありません。また、男性に多いものですが、女性でも発症する場合があります。
AGAと壮年性脱毛症の違い
AGAは男性型脱毛症とも呼ばれます。つまり、AGAと壮年性脱毛症は名称が異なるだけで同じものなのです。
壮年性脱毛症の原因とメカニズム
壮年性脱毛症には、食生活や生活習慣、男性ホルモンなどが関係しているといわれています。中でも大きな要因となるのが男性ホルモンの影響です。男性ホルモンのテストステロンは、頭皮の5αリダクターゼと結合します。そうして発生したジヒドロテストステロンは、髪を生み出す毛母細胞へと栄養を届ける毛乳頭細胞の受容体に取り込まれます。
取り込まれたジヒドロテストステロンによって、ヘアサイクルを乱す信号が発信されて、髪の成長が阻害されるのです。髪は、成長期、退行期、休止期を経て自然に抜け、再び生えてきます。壮年性脱毛症では、成長期が短縮されてしまうため、育ちきっていない細くて短い毛が増えてしまいます。
壮年性脱毛症の症状の進行

壮年性脱毛症は6つの型に分かれています。
- I型 頭部全体の髪が薄くなる。分け目付近の地肌の透けが気になる状態
- II型 頭部全体的に髪の毛のボリュームが減少し、地肌の透けなど薄毛が目立つ
- III型 全体的に脱毛が進行し、地肌の透けがハッキリと分かるように。脱毛箇所の面積や範囲もより広くなる
1つでも思い当たる症状があったら、早めにクリニックを受診しましょう。
壮年性脱毛症の診断方法
壮年性脱毛症は、医師によって問診や触診、視診などで診断されます。壮年性脱毛症かどうか自己判断するのは、見逃しの危険性があるため避けた方が良いでしょう。何らかの病気の症状として薄毛になっている可能性もあります。
壮年性脱毛症になりやすい人の特徴
壮年性脱毛症は、生活習慣や食生活が乱れている人や、壮年性脱毛症の家族や親族がいる人に起こりやすいとされています。また、髪に必要な栄養が不足していたり、栄養を運ぶ血液の流れが悪かったりすると、髪の成長に支障をきたします。
壮年性脱毛症の改善方法

それでは、壮年性脱毛症の改善方法について詳しくみていきましょう。
クリニックで治療を受ける
壮年性脱毛症は、クリニックで治療を受ける必要があります。セルフケアだけでは改善が困難なため、早めにクリニックを受診しましょう。薬の服用や塗布、頭皮への注射など、さまざまな治療を受けられるAGA専門クリニックがおすすめです。
生活習慣を改善する
睡眠不足や過度の飲酒、喫煙、ストレスなどは、いずれも壮年性脱毛症のリスクを高めます。睡眠不足は代謝を低下させ、過度の飲酒は髪に必要な亜鉛を大量に消費します。そして、喫煙やストレスは血行不良を招くことで、髪に必要な栄養が頭皮へ届きにくくなるのです。
早寝早起き、飲酒や喫煙を控える、ストレスをこまめに解消するなどして対策しましょう。
栄養バランスのとれた食事を心がける
髪の成長には、タンパク質やビタミン、亜鉛などさまざまな栄養が必要です。肉や魚、卵、大豆類などから十分にタンパク質をとりつつ、野菜や果物、ナッツ類などからビタミンやミネラルをとりましょう。
1日3食規則正しく食事をとることが大切です。
正しくヘアケアする
間違ったヘアケアは、頭皮と髪にダメージを与えることで壮年性脱毛症のリスクを高めます。シャンプー液を頭皮に直接つけたり、爪を立ててゴシゴシ洗ったりしてはいけません。シャンプー液を十分に泡立てて、指の腹で優しく洗うことが大切です。
また、ドライヤーで髪をしっかり乾かしてください。生乾きの状態では、頭皮の常在菌が増えて頭皮トラブルが起こる恐れがあります。ドライヤーは、髪と頭皮から20cm以上は離して、同じところに熱が集中しないようにあてましょう。
ドライヤーをあてる前に、ヘアトニックで育毛ケアをするのもおすすめです。ただし、ヘアトニックには髪を生やす作用はないため注意してください。
- Summaryまとめ
- 女性にとっての壮年性脱毛症は、FAGA(エフ・エージーエー)や女性男性型脱毛症などと呼ばれています。更年期の女性は、毛髪の成長を促していた女性ホルモンが減少して、相対的に男性ホルモンの割合が増加することが、FAGAの原因のひとつですが、生活習慣や食生活なども関係しています。最近、髪が薄くなった、髪のコシやハリがなくなってきたと感じる方は、早めにAGAクリニックを受診しましょう。
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この記事の監修医師
AGAスキンクリニック レディース院 診療顧問田中洋平医師
- 【資格】
- 日本形成外科学会専門医
医学博士(信州大学)
- 【所属学会】
- 国際形成外科学会会員
日本美容外科学会会員
日本皮膚科学会会員
日本美容皮膚科学会会員
日本抗加齢学会会員
日本熱傷学会会員
日本救急医学会会員
日本フォトダーマトロジー学会理事
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