女性の薄毛に関するQ&A

Q&A

セルフ育毛ケア・予防

  • 薄毛予防のために生活習慣で気を付けたほうがよいことはありますか?

    ドクターからの回答

    毛髪の成長を促進するためには、規則正しい生活習慣が大事だと言われます。高カロリー食を避けて、ゴールデンタイムに睡眠をとりましょう。有酸素運動・禁煙・適量の飲酒を心がけてください。ストレスは喫煙以上に薄毛の原因となります。禁煙や禁酒によるストレスからの悪循環に陥らないように、上手にストレスと付き合いましょう。
    (参考記事)女性の薄毛の症状や原因、改善方法について

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フサちゃん

メタボリックシンドロームと毛髪との意外な関係

アメリカで循環器医師として働くウィリアム・デイビス博士が出版した「WHEAT BELLY」という著書によれば、小麦などの炭水化物の摂りすぎが脱毛の原因になると指摘されています。本著のタイトルを直訳すると、“小麦腹”になります。日本でいうところの“メタボなぽっこりお腹”にあたるのではないでしょうか。

小麦などの炭水化物は血糖を一気に上げてしまい、体内の組織ではブドウ糖の量が増えてしまいます。ブドウ糖分子はたんぱく質分子と結合し、複合的な反応生成物となります。これが終末糖化産物(AGE)です。たんぱく質と糖質の高カロリーな食事は、終末糖化産物(AGE)を生み出しやすい状況です。日本でなじみのあるメニューとしては、唐揚げ弁当や牛丼などが挙げられるでしょう。

過剰なカロリーを摂取し続けたなれの果てともいえる終末糖化産物(AGE)は、体内でエネルギーとして使われることもなく蓄積していきます。それだけではなく、白内障・動脈硬化、セリアック病などの難病の原因にもなります。終末糖化産物(AGE)による毛髪への深刻な影響も、報告されています。

毛包細胞がミニチュア化してしまう高カロリー食

終末糖化産物(AGE)が体内に蓄積されると、毛包に自己免疫疾患によく似た炎症が引き起こされることが明らかになっています。炎症が引き起こされた結果、“毛包の細胞のミニチュア化”という現象が頭皮で起こっていることが、大分大学・久留米大学、株式会社サラヴィオ化粧品の共同研究で明らかになりました。

高カロリーな定食を続けることによって、AGA(男性型脱毛症)、FAGA(女性男性型脱毛症)が引き起こされる可能性があることが指摘されたのです。メタボリックシンドロームに該当する方に薄毛が多いといわれるのは、食生活が原因のひとつだったのです。

薄毛対策に重要な生活習慣とは?

食生活以外にも、ヘアケアや睡眠、運動、禁煙・禁酒、ストレス対策も忘れてはなりません。順番にみていきましょう。

ヘアケアは女性のための薄毛対策用品で

食事やライフスタイルを改善しても、薄毛が進行してしまうときは使っているシャンプーにも注意してみるとよいでしょう。現代の女性は、過剰なヘアケアで皮脂を洗い落とし過ぎてしまっている傾向にあります。できる限り、薄毛に悩む女性のために開発されたシャンプーやリンスを使うようにすると、頭皮に皮脂のバランスを保つことができます。

頭皮の血流をよくすることは、髪の発育のためにはとてもよいことです。薄毛対策用の育毛剤を活用しながら、頭皮全体のマッサージをするとよいでしょう。シャンプーやリンスにもいえることですが、男性用の薄毛対策用品を使わないようにしてください。男性と女性では頭皮の皮脂量に差があります。そのため、男性の薄毛対策用の育毛剤を女性が使うと、刺激が強すぎる場合があるからです。

質の高い睡眠も薄毛対策に

次は三大欲求のうちのひとつ睡眠欲です。ただ眠ればよいというわけではありません。睡眠の質が薄毛対策に関わってくるのです。

睡眠は身体を休めることでその成長や回復に充てる行為です。生命の維持に欠かせない重要器官である脳や臓器、細胞の修復が優先されるので、睡眠不足が続くと直接関係のない肌や爪、髪への栄養供給は減らされ、血流の悪化に繋がります。

髪の成長に欠かせない「成長ホルモン」は、午後10時から夜中の午前2時までの間、あるいは入眠して2時間ほどでやってくる最初のノンレム睡眠時に最も分泌が多いとされ、その時間帯はゴールデンタイムとも呼ばれています。有効に使いましょう。

適度な運動で血行促進

薄毛は、髪に栄養が行き届かなくなり頭皮環境が悪化することで引き起こされますが、血行促進やストレス解消、質のよい睡眠を確保するためにも、適度な運動は有効です。特にウォーキング、サイクリングやスイミングなどの有酸素運動が毛細血管を増やします。血液循環がよくなり新陳代謝が活発になるとともに、老廃物の回収をも担う毛細血管のおかげで疲れがとれやすくなります。血流が豊かになると同時に髪や肌までしっかり全身に栄養が行き渡り、頭皮環境と髪の成長が正常化して、結果的に薄毛予防に繋がるのです。

タバコ・アルコールも薄毛リスクを高める

タバコを吸うことで、ニコチンが自律神経を刺激して血管を収縮させます。自律神経が乱れると、頭皮の汗や皮脂の分泌量が増えて毛穴が詰まりやすくなります。髪を作るビタミンCを破壊する作用をもっているのです。

また、アルコールの分解工程で生成される有害なアセトアルデヒドによって二日酔いになりますが、それを無害化するために髪の成長に不可欠なアミノ酸、亜鉛、ビタミンBを大量に消費することで髪の成長を妨げます。

お酒が好きな人にとっては、お酒を飲みながらの食事や会話がストレスの緩和になったり、アルコールの摂取で血管が拡張するため血流の循環がよくなったりするので、適量の摂取であれば飲酒は必ずしもマイナスではありません。しかし、過度なアルコールは細胞にダメージを与え、血流量を減少させることで薄毛に繋がるリスクもあります。

タバコやアルコールは、体内に入ると複数の悪影響が頭皮や毛根に及ぶため薄毛に繋がると考えられているのです。

ストレス対策も重要

人はストレスを感じると、自律神経が不安定になり筋肉が緊張します。そうすると、血管が収縮してしまい身体全体の血行が悪化することで髪の毛乳頭まで栄養が運ばれなくなり、栄養不足の状態となってしまうのです。髪の成長に関わる男性ホルモン・女性ホルモンのホルモンバランスの乱れも、過度に皮脂を分泌して頭皮環境を悪化させます。また、ストレスを受けると、髪の成長に不可欠な亜鉛が減ってしまうことも気にとめておきましょう。