女性の薄毛に関するQ&A

Q&A

薄毛・抜け毛の不安

  • 今20代です。若い人でも薄毛になりますか?

    ドクターからの回答

    20代の若い人であっても、薄毛になる可能性はあります。若い人に多い薄毛の原因としては、無理なダイエット、経口避妊薬(ピル)の誤った使い方、生活習慣やストレスの影響が挙げられます。順番に解説していきましょう。

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フサちゃん

メチオニンを意識したバランスのよい食生活を

第一に、無理なダイエットは、毛髪に悪影響を及ぼします。毛髪を正常に作るためには、メチオニンの摂取が欠かせません。メチオニンとは、必須アミノ酸のひとつですが、体内で作ることができません。そのため、食べ物から摂取する必要があります。しかし、若い人の場合、りんごだけ、野菜だけ、という極端なダイエットに走る人も少なくありません。

メチオニンは、カツオ・マグロなどの魚介類やチーズや枝豆、しらす干しなどに多く含まれています。髪の毛の構成成分であるケラチンは良質なたんぱく質によって作られるので、メチオニンが含まれたたんぱく質の食品を摂取することは、一石二鳥になるのです。ダイエット中であっても、野菜やフルーツだけの食事を避け、栄養バランスの取れた食生活を維持することが薄毛を防ぐ第一歩だといえるでしょう。

経口避妊薬を自己判断で中止するのは危険

第二に、経口避妊薬(ピル)を医師の指示通りに飲んでいないことが、薄毛の原因につながることもあります。経口避妊薬は、プロゲステロン(黄体ホルモン)とよばれるホルモンの分泌をうながします。プロゲステロンは、妊娠をする能力を生じさせるホルモンのこと。経口避妊薬はプロゲステロンの分泌を人工的にうながすことによって、妊娠しているのと同じ身体の状態を作り出すメカニズムがあります。

プロゲステロンは妊娠・排卵に関わるだけではなく、毛髪や体毛にも影響を及ぼすホルモンです。経口避妊薬を突然自己判断で中止してしまった場合、人工的にプロゲステロンの分泌量を増やしていた影響で、体内のプロゲステロンの分泌量が急激に減少してしまう可能性があります。プロゲステロンの分泌量が減少すると、薄毛や脱毛が始まることがあります。該当する症状がある場合、専門医の診察を早めに受けるようにしましょう。

ストレスが髪によくない理由

ストレスや環境の変化が原因で、10~20代でも薄毛・脱毛が起こることがあります。ストレスが髪によくない理由は、いくつかあります。まず、ストレスは交感神経を優位にさせ、血管を収縮させてしまうからです。ここで自律神経の仕組みを、簡単におさらいしておきましょう。

人間の身体は狩りをして生活していた原始時代と基本的な構造は変わっていません。交感神経は、獲物を捕らえるためのスイッチのような役割を果たしていました。野生動物をつかまえるためには、脳・筋肉を効率よく動かすことが大切です。そのため、血管を収縮させ、心拍を増加させることで、心臓のポンプ機能を高めていたのです。

狩りをしなくなった現代社会では、交感神経はストレスや緊張の多い場面で働いてしまいます。血管が収縮し続ける状態が続くと、全身の筋肉は緊張したままになってしまいます。結果、肩こり・首こりが起こってくる人が多いのです。肩や首の筋肉のこりによって、頭髪に血液が流れにくくなってしまいます。そのため、髪に栄養が運ばれなくなり、過度のストレスで脱毛や薄毛が起こる可能性があるのです。

毛髪によい習慣を増やしてみることが大切

若い人の脱毛・薄毛は、ライフスタイルの変化によって改善することが多いのが特徴です。しかし、パーフェクトな食生活や健康習慣を目指すのは、なかなか現代社会では難しいでしょう。考え方としては、毛髪によい習慣を少しずつ増やしていき、悪い習慣をやめてみるといいでしょう。

例えば、メチオニンの多く含まれたマグロのツナ缶、しらす干しを意識的に毎日の献立に入れてみるのもおすすめです。ストレスに心当たりがある人は、肩や首の緊張をほぐし、リラックスした環境で過ごせるように心がけてみてください。